こんにちは。
burikoです。
先日、「教職調整額10%に増額、自民党が提言、骨太明記目指す」とのニュースが出ていました。
これが本当に見直されるのであれば、現役の学校の先生は本当に救われるかと思います。
でも、実際に教員調整額4%から10%になった場合、どのくらい支給額が増えるものなのでしょうか。
今回の記事では、教員調整額4%と10%の場合を具体的な金額を用いて比較して、どのくらいの恩恵が受けられるのか確かめてみたいと思います。
「やったー!10%になる!」とすぐに喜ぶのではなく、ここは冷静になって判断してみます。
エビデンス!!
目次
教員調整額4%と10%を比較して見えてきたこと
さて。
そもそも教員調整額とは何なのでしょうか。
そして、現行の教員調整額4%支給とは、どんなものなのでしょうか。
そのあたりは、以下の記事をご覧ください。
【教員の給与】教職調整額4%って残業何時間分になるか検証してみた!
読むのがめんどくさい方は、以下をご覧ください。
教職調整額のポイント
1.時間外勤務手当を支給しない。
2.時間外手当の代わりに、教職調整額として給料月額の4%を基準として、各都道府県が定める割合の金額を支給する。
3.教職調整額は給料相当とされ、期末・勤勉手当などの算定の基礎とされる。
4.時間外勤務を命じることのできるのは「限定4項目」に限られている。
引用サイト:http://www.p.u-tokyo.ac.jp/lab/ichikawa/johoka/2009/Group2/kyuutokuhou.html
教員調整額をもっと簡単にまとめると、「残業代を見込みで全員に一定額支給する」ということです。
これを踏まえて、現行の教員調整額4%と10%の支給額を比較してみます。
教員調整額4%と10%の支給額の比較
比較してわかりやすいように、今回は以下のようなモデルケースを設定します。
モデルケース
・基本給¥300,000
・残業代を¥2,344/hとする
(残業代は「enjin」というサイト参考に算出)
基本給は¥300,000としました。
残業代は、民間企業での平均を参考サイトの情報を元に算出しました。
これにより、教員調整額で支給された金額は、残業何時間分になるかの目安を出すことができます。
上記のモデルケースで、教員調整額4%と10%の支給額を算出してみると以下のようになります。
教員調整額4%だと支給額は¥12,000で約5時間分の残業代です。
教員調整額10%だと支給額は¥30,000で約13時間分の残業代です。
当たり前ですが、教員調整額10%の方が、支給額が多いことがわかります。
教員勤務実態と照らし合わせてみる
ここでは、実際に教員がどれだけ残業しているか明確にしてみます。
文部科学省のHPでは「教員実態調査」と言うものを公開しています。
この調査で、教師の平日の1日当たりの在校等時間は、以下の結果となっていました。
文部科学省「教員実態調査」より抜粋
校種や職層によって多少の違いはありますが、おおまかに在校時間を10時間とします。
なお、この調査でいう在校時間の定義はわかりません。
決められた出勤時間前から在校時間に含められている可能性があるため、ここでは30分差し引くことにします。
よって、どの教員も平均在校時間は9時間30分と仮定した場合、1日の決められた労働時間は8時間だとすると、1日の残業時間は1時間30分となります。
1ヶ月の勤務日数を20日とすると、1ヶ月の残業時間は・・・
1時間30分 × 20日 = 30時間/日
上記で示したように、教員調整額10%支給で約13時間分です。
しかし、教員の残業時間の実態は約30時間と推測されるので、足りません。
本当に見直されるのか?
今回の記事を書くにあたり、「教員調整額 見直し」で検索しました。
すると、トップで出てくるのはこちらでした。
平成19年2月13日教職員給与の在り方に関するワーキンググループ(第15回) 配付資料
なんと16年前にはもう同じようなことが提案され、今も同じようなことが提案されています。
・・・見直されないかもしれません(T ^ T)
教員調整額を変えることは、簡単なことではないかもしれません。
でも、16年も前からずっと問題視されていて、ずっと変わっていない現実があることを、私たちは認識しておくべきだと思います。
それでも頑張っている学校の先生は、たくさんいる
これまで示してきたように、教員調整額を10%にしても、先生の働いている時間の対価には合っていないかもしれません。
かなり前からずっと問題視されていることも、改善していません。
そんな厳しいと言わざるを得ない状況でも、頑張っている先生はたくさんいます。
だから、子どもは社会で活躍しているし、日本という国は今日も成立しています。
教員調整額を10%にしても、まだ足りないかもしれないけど、早く10%にしてあげてほしいです。
先生たちの仕事に見合った対価を支払うのは、当然の世の中になってほしいです。
この記事を通して、今の日本の学校の先生が置かれている状況を、少しでも知っていただき、考えていただくきっかけになっていたら嬉しいです!!