こんにちは。
burikoです。
先日、下記の記事を読んだ。
「深夜まで宿題「終わらなきゃ学校行けない」 中1は睡眠障害になった」
この記事を読んだとき、「学校で発表させるような宿題が子どもを追い込むこともあるのか」と思った。
私はアラフォーだが、小中高通して、人前で発表するための宿題はほぼやった記憶がない。
でも、今の子どもたちは私たち世代よりプレゼン系の宿題が多く出されているだろう。
その宿題を負担に感じて、学校に行けなくなったりする子どもがいるらしい。
私の友達にこの記事の話をすると、何人かの友達の子どもは「うちの子も発表の宿題をすごい嫌がってる」と言っていた。
大人はプレゼン系の宿題が増えることに賛成の声が多い気がする。
ドリルのような反復練習より、プレゼンの経験を積んでいた方が社会に出たときに役に立ちそうだし。
でも、ある一定数の子どもたちにとっては、学校に行けなくなるほど負担になっている。
プレゼン系の宿題は良いのか?悪いのか?
私たち大人は、これをそう考えていけばいいのか。
その答えを探ります。
目次
プレゼン系の宿題ってどういうもの?
プレゼン系の宿題って、どういうものなのか。
小学生の娘を持つ友達に聞いてみた。
Aさんの学校では、「ドリームマップ」という授業を数時間かけてやったそうだ。
「ドリームマップ」とは、自分の将来や夢を大きな画用紙にまとめるというもの。
家にある自分の好きなものやワクワクするものを写真に撮って、マップ作りの素材集めを宿題として出された。
授業の目標としては、ドリームマップの完成を目的としておらず、その過程を経験させることが大切だと考えているそうだ。
それぞれが数時間かけて作ったマップを掲げて、みんなの前でプレゼンするところまでがこの授業のプログラム。
友達はその宿題と授業を知って、ものすごくいいなと思ったようだ。
小学生の頃から、自分の目標を時間をかけて考えてみること。
正解がないものに向き合う時間。
自分が小学校の頃にはなかった課題で、親として嬉しいと言っていた。
このような課題が、プレゼン系の宿題だ。
「どうすればいいか」を自分で考えなくてはいけない。
プレゼンテーションを学ぶ理由
なぜ、学校でプレゼンテーションを学ばなくてはいけないのか。
ここで、その理由をまとめておきたい。
プレゼンテーションは、人生のさまざまな場面で必要となるスキルのひとつであるため、積極的に学ぶことが大切だ。
❶説得力の向上
プレゼンテーションを学ぶことは、自分のアイデアや提案をどう理解してもらえるかを考えることになる。
さらに、自分の意見を相手に理解してもらうだけでなく、相手を説得することができるようになる。
❷職業上のメリット
プレゼンテーションスキルを身につけることは、職場でのスキルアップに繋がる。
また、ビジネスプレゼンテーションやセールスプレゼンテーションなどの場面で、より効果的なプレゼンテーションができるようになり、業務の成果を上げることができる。
児童・生徒にはまだ実感が伴わないことだが、やがて社会に出ることを考えると、学校で学ぶことは非常に大きなメリットである。
❸自己表現の向上
プレゼンテーションを学ぶことで、自己表現のスキルを向上することができる。
自分のアイデアや考えをわかりやすく、魅力的に伝えることができるようになり、自分自身の成長に繋がる。
❹コミュニケーション能力の向上
プレゼンテーションを学ぶことで、自分の意見やアイデアをわかりやすく、魅力的に伝えるスキルを身につけることができる。
これによって、職場や社会でのコミュニケーション能力が向上し、自信を持って自分の意見を主張できるようになる。
子どもがプレゼンテーションを経験するメリット・デメリット
社会で活躍する大人にとって、プレゼンテーションを学ぶ意義は大いにある。
すぐに日常の中で実践するシーンが多いからだ。
しかし、子どものうちからプレゼンテーションを経験する意味はあるのか。
そこで、子どもにプレゼンテーションを経験させるメリット・デメリットを整理してみる。
子どもがプレゼンを経験するメリット
子どもにプレゼンを経験させるメリットは以下の3つである。
❶コミュニケーションスキルの向上
❷自信の向上
❸プレッシャーへの対処力の向上
❶コミュニケーションスキルの向上
発表をすることによって、自分の考えやアイデアを相手に伝えるスキルが身につく。
また、発表をすることで、相手の反応を読み取る力や聴衆に合わせた表現力が向上するとともに、質問に答えるスキルも身につく。
❷自信の向上
発表をすることで、自分の意見や考えを言葉にして伝えることができる自信がつく。
また、聴衆からの反応や質問に対応することで、自分の知識やスキルに自信が持てるようになる場合がある。
❸プレッシャーへの対処力の向上
発表をすることは緊張感があり、プレッシャーを感じることがある。
しかし、そのような状況下で発表を行うことで、プレッシャーへの対処力が向上するとともに、ストレス耐性が向上することがある。
子どもがプレゼンを経験するデメリット
子どもがプレゼンを経験するデメリットは、以下の3つである。
❶不安や恐怖心の増大
❷公平性の問題
❸発表に時間を費やしすぎる
❶不安や恐怖心の増大
発表をすることは、緊張感があり、不安や恐怖心を感じることがある。
そのため、発表が苦手な子どもたちは、発表をすることで逆に不安や恐怖心が増大する場合がある。
❷公平性の問題
発表をする際に、すべての子どもたちに発表の機会を与えることができない場合がある。
また、発表の場での評価が公平に行われない場合もある。
❸発表に時間を費やしすぎる
発表に時間を費やしすぎると、他の学習活動や生活習慣を犠牲にすることになる場合がある。
また、発表が過剰に重視されることで、発表スキルに偏重した教育になり、他のスキルの育成が疎かになる可能性もある。
人前で発表を嫌がる子どもの心理
プレゼンの授業にメリットがあるとしても、人前で発表するのを嫌がる子どもはいる。
確かに、私も子どもの頃は人前で発表するのは恥ずかしいから嫌だった。
そこで、子どもが人前で発表を嫌がる代表的な理由を整理してみる。
子どもが発表を嫌がる理由は個人差があり、以下のもの以外にも、考えられる理由がある可能性がある。
私たち大人が意識しなければいけないことは、子どもを理解して支援することだ。
子どもたちに頑張ってもらうだけではいけない。
子どもの自己評価を高め、自信をつけるための手法や、ストレスを軽減する方法を提供する必要がある。
また、子どもが環境に慣れるための時間を与え、少しずつステップアップすることも有効な手段かもしれない。
❶不安や緊張感
多くの場合、人前で話すことに対して不安や緊張感を感じることがある。
子どもが不安や緊張感を感じる理由には、発表する内容に対する自信の欠如、自己表現能力の不安、周囲からのプレッシャーなどが挙げられる。
❷自己評価の低さ
自己評価が低い場合、自分の意見やアイデアを発表することに自信がなくなることがある。
子どもが自己評価が低い理由には、過去の失敗や批判的なフィードバック、比較的負けがちな経験などが挙げられる。
❸社交不安障害
社交不安障害は、人前で話すことに対して強い恐怖心を抱く病気である。
子どもが社交不安障害を持っている場合、人前で話すことに対する不安が普通のレベル以上に高くなることがある。
❹認知的偏り
認知的偏りは、自分に対して否定的な評価を持ちがちな性格傾向のこと。
子どもが認知的偏りを持っている場合、自分の能力に対する過度な不安や緊張感を感じることがある。
反復練習系の宿題のメリット・デメリット
冒頭でも少し書いたが、今の子どもたちはドリルのような反復練習系の宿題ばかりでなく、プレゼン系の宿題が増えている。
こういった時代になると「反復練習系の宿題は意味がない」という印象を持たれているところがある。
でも、実際どうなのか?
反復練習することのメリットデメリットを整理してみる。
反復練習系の宿題のメリット
反復練習系の宿題代表として、漢字ドリルについて考える。
漢字ドリルのメリットは以下の3つではないだろうか。
❶記憶定着の促進
❷集中力や忍耐力の養成
❸文章作成の基礎づくり
❶記憶定着の促進
反復練習によって、書き取りのパターンが脳に定着しやすくなる。
漢字の書き取りの練習は、文字の形状を記憶し、文字を書く際に自動的に形状を思い出せるようになる。
❷集中力や忍耐力の養成
反復練習は単調であるため、子どもたちは集中力や忍耐力を養うことができる。
また、同じことを繰り返し行うことで、自己管理力や自己規律を身につけることもできる。
❸文章作成の基礎づくり
漢字の書き取りの練習は、文章作成の基礎となる。
書き取りの練習によって、文字の形状や構造を理解し、正確に文字を書くことができるようになるため、文章作成に必要なスキルを身につけることができる。
反復練習系の宿題のデメリット
漢字ドリルのデメリットは以下の3つが考えられる。
❶退屈さやモチベーションの低下
❷文章作成能力以外のスキルを犠牲にする
❸実践的な活用が難しい
❶退屈さやモチベーションの低下
反復練習は単調であるため、子どもたちのモチベーションを下げる原因となることがある。
また、同じことを何度も繰り返すことで、退屈さを感じることがある。
❷文章作成能力以外のスキルを犠牲にする
反復練習は文章作成能力を養うための良い方法である一方で、他のスキルを犠牲にすることがある。
例えば、漢字の書き取りに多くの時間を費やすことで、読解力などのスキルを養うための時間が減る可能性がある。
❸実践的な活用が難しい
漢字の書き取りは、日本語を書くために必要なスキルであるため、実践的な活用につながる。
しかし、あまりに多くの時間を反復練習に費やすと、現代の情報社会に必要な他のスキルを犠牲にすることになる。
私たち大人ができること
学校の宿題は、子どもたちの能力を伸ばすために出させる。
しかし、良かれと思って出された宿題が、子どもたちを苦しめる場合がある。
「自分の宿題なんだ。自分で乗り越えなさい」
大人はこのスタンスでいいのだろうか。
私はそうは思わない。
大人は子どもをいつも気にかけて、サポートすべきだと思う。
子どもの自己決定権は尊重すべきだけど、何でも1人でできるほど経験がない。
上記で示したように、プレゼン系の宿題も、反復練習系の宿題も、メリットデメリットがある。
人前で発表したがらない子どもにも代表的な理由はあるが、それ以外ここの理由もいっぱいある。
そんなことを知ると、正解なんてないことに改めて気づく。
宿題で言うと、プレゼン系も反復練習系も、どちらもやる意味はある。
だから、その辺のバランスはちょっと先が見えている大人がバランスを取るべきだ。
子どもに明るい未来を見せるのが、大人の役目。
当たり前だけど、そんなことに気づいた。