こんにちは。
burikoです。
テレビで見かける食レポ。
私は、すごい難しい仕事だと思う。
美味しいものを「美味しい」というだけではダメで、見ている人に伝わるように味覚を言語化しなければならない食レポ。
半端ない難しい作業だ。
私だったら、できない。
しかし、一般人の私はそんな心配なんてしなくていい。
食レポする機会なんてないんだから。
そう思ってこれまで生きてきたが、私は最近よく食レポを求められる。
2歳の娘が、私に食レポを求めてくるのだ。
親の意地

2歳の娘は、おままごとにハマっている。
アンパンマン、食パンマン、コキンちゃん、ドキンちゃんをレギュラーとして、彼らの生活を娘が演出している。
娘は毎回、おままごとを始めて5秒で気づく。
「私の手だけじゃ足りねぇ。」
そこに気づいて、私がご飯を食べていようがお風呂の準備をしていようが「こっちきてアンパンマンを持ってくれ」と手を引っ張り、強制参加させてくる。
娘が好きなのは、みんなでご飯を食べるシーンだ。
娘がおもちゃの野菜や果物を鍋にぶっ込み、炒めたり、ときには煮たりして料理を作る。
それをアンパンマンらに振る舞うのだ。
アンパンマン役に抜擢された私に、娘は料理を差し出す。
私はアンパンマンを通して、娘の手料理をいただく。
すると、娘は私に向かって「どんな味?」と聞いてくる。
「ん〜美味しいよ!」と全力で伝えるが、続けて娘は「どんな味?」と聞いてくる。
あれ?
美味しいだけじゃダメ?
コメントの弱さにOKをくれない娘。
彼女はこのおままごとを本気でディレクションしている。
食レポが「美味しい」だけなんて、断じて許されることではないのだろう。
私も親としての意地がある。
娘の要求に応えたい。
これまでの経験を活かし、色々な言葉で味を表現してやろう!
「人参が新鮮で、すごく甘い」
「野菜と果物の組み合わせが新鮮で、これまでにない美味しさだ」
2歳児寄りの言葉は使用せず、本気で料理から感じた味を表現した。
どうじゃ。これが大人の本気じゃ!
すると、娘が次の展開に繋がる台詞を声に出した。
「私も食べてみよーっと」
ほほぅ( ̄∇ ̄)。
2歳児が私との食レポ対決を挑んできよったわ!
その度胸と勇気に、親ながら尊敬する!
娘は料理が入ったお皿を手に持ち、無邪気に「パクパクパク」と言って食べ始めた。
即興で行われているおままごと。
事前に渡された台本は、もちろんない。
ただ、このあと娘が私に要求している台詞は理解している。
さぁ、次は私が聞いてやろうじゃないかっ!!
「どんな味??」
娘は私の目を見て、こう言った。
「春の味がするぅ」
はははは春の味だとぉぉぉ!
なんて、素敵な表現なんだ。
娘の表現力と構成力

2歳児の娘がおままごとで料理の味を「春の味」と表現した。
私は、感動を通り越して恐ろしさを感じた。
おままごとなので、もちろん実際食べてないし味もしない。
しかし、彼女はその料理に春を感じたのだ。
っていうか、春ってわかってんの?
まだ2歳だし、四季の概念が理解できているように思えない。
おもちゃの野菜や果物を鍋に詰めて、軽く日を通した謎料理に対して、娘は確かに「春の味」を感じたのだ。
その表現力には完敗。
「人参が新鮮で、甘い」とか言ってしまった自分が恥ずかしい。
そして、もう1つ私が恐ろしさを感じたのは、彼女の構成力だ。
「春の味」と表現できる力があるのは、娘自身わかっていたのだろう。
そんな自分が1番に料理を食べるのではなく、先に私に食べるように指示してきたのだ。
どうせ大した食レポできない私の能力を見越している。
私をフリをして使うことで、自分の「春の味」を引き立てることに成功しているのだ。
娘の表現力と構成力に脱帽。
恐るべし、2歳児。