こんにちは。
burikoです。
これからパパになる皆さん。
今日は私からお伝えしたいことがあります。
出産に立ち会うって、めっちゃ大変!!!
今日はこれだけ覚えてくれれば、このあと読まなくてもいいくらいです。
私は奥さんの出産に最初から最後まで立ち会うことができました。
出産で本当に大変なのは、絶対に私より奥さんです。
だから、私は出産に立ち会うということを簡単に考えていました。
そう。これから子どもが生まれるというのに、覚悟が足りなかったのです。
もう少しリアルな流れがわかっていれば、もっと準備と覚悟ができていたはず!
今回は、これから出産を迎えるにあたり、ワクワクやドキドキを抱えているパパの一助になればと思い、私の体験をお伝えします。
目次
陽気な私。慎重な奥さん。
PM7:00
奥さんは出産準備のために実家にいました。
そして、予定日よりも早くおしるしがっ!

この時の感覚を、うちの奥さんはこう表現していました。

奥さんは想像していたより陣痛の痛みが弱いと感じたようです。

あの時の発言を、のちに奥さんはこう語っています。

奥さんは私に「おしるしきたので、病院いきまーす」とLINEをくれました。
あれ?出産の時って「う、産まれるっ!」みたいな感じで病院行くんじゃないの!?
「ちょっと友達とご飯食べてくるわ」と同じくらいのテンションにびっくり。
奥さんは今日までずっとお腹に子どもがいることを感じてたんだし、こんなものなのかなと理解しました。
逆に、私は緊張していました。
自宅から病院に向かう景色が、なんだかいつもと違う景色に感じる・・・。
PM8:00
無事に病院へ到着。
「大丈夫ですか?」と声をかけると「うん。まだ大丈夫。」と私が想像していたより、余裕を感じました。

はしゃぐ奥さん。
そんな姿を見て、私の緊張も少し和らぎました。
部屋にも素敵なクラシック音楽流れています。
奥さんに、ポカリスエットとお菓子を買ってくるよう頼まれていました。
私はそれを奥さんのそばに置き、ついでに私は夕飯として買ったおにぎりを2つ食べました。
奥さんに「それだけで足りるのか?」と問われましたが、「出産終わったらがっつり食べるよ」と答えました。
お菓子とおにぎりを食べながら出産待ち。
ちょっとした遠足みたいだ。
私たちは、穏やかな時間を過ごします。
PM9:00
助産師さんが来てくれて、子宮口の開き具合を確認してくれます。
「まだ2〜3cmくらいねー。」
2〜3cm??
助産師さんにどういうことか尋ねると、子宮口が10cm程度になったら赤ちゃんが出てくる準備が整うんだと丁寧に説明してくれました。
なるほど。
病院に来て2時間で2〜3cmか。
ということは・・・
あと3時間くらいで本番って感じかな!!
見えない終わり
AM0:00

数時間前とは比べものにならないほど、陣痛が厳しくなってきました。

3時間前までの奥さんとは様子が違う・・・。
これが出産なのか。
奥さんの姿にちょっと動揺。
しかし、動揺していることを表には出してはいけません!
奥さんを不安にさせてしまうからです!
助産師さんが定期的に来てくれますが、めちゃくちゃ冷静。
奥さんは相当痛がっているのに、助産師さんは出産にむけて準備をする様子はありません。
「いきまないように、力抜いてねー。」
優しい口調で語りかけて、隣の分娩室に消える始末。
あれ?
まだ産まれないの??

AM2:00

さささ叫んでるぅぅぅ!!!
5分おきに襲ってくる痛み。
奥さんは叫んでないと痛みに耐えられないようです。

奥さんは私にナースコールを押してくれと懇願します。
でも、私はなんとなくわかっていました。
きっと、まだ産めないことを。
30分前、助産師さんは『子宮口がまだ3〜4cmくらいねー。』と言っていました。
GOALは10cm。
3時間前に2〜3cmで、今はまだ3〜4cm。
自分が思っていたスピード感とは違って、本当にゆっくり開いていくものだと理解しました。
でも、奥さんはナールコールを押して欲しいと必死に訴えてくるので、私は自分の気持ちを押し殺してボタンを押しました。
助産師さんは優しく奥さんを励まします。
助産師さんは私に『まだまだなので、ちゃんとそばにいてあげてください』と目で語りかけてきた気がしました。
日付が変わる頃には出産できるだろうと考えていた自分が恥ずかしくなりました。
去り際に、助産師さんはテニスボールを出して、奥さんのお尻をグッと押しました。
すると、奥さんはすごく楽そう!
助産師さんは私にテニスボールを預けて、また隣の部屋へと消えていきました。
テニスボールとお尻の爆発
AM3:00

「いきんではダメ」と言われているので、痛みが来ると本当にお尻が爆発しそうな感覚のようです。
そこで、私がテニスボールをお尻に当てて、全力で押します。
そうすると、かなり楽みたい。

陣痛がきている時、奥さんは押せ押せと要求してきます。
「身体が上にいっちゃうくらい押してるけど、大丈夫なのか?」
ちょっと不安だけど本人が要求しているので、私は全力で奥さんにのお尻にボールを押し込み続けます。
5分おきに訪れる陣痛。
それに合わせて、約3分間お尻にボールを全力で押し込む。
これを繰り返します。
私の体力は持つのだろうか。
ちょっと心配になりました。
AM5:00

何時間も陣痛の痛みに襲われている奥さん。
体力の限界なのか、陣痛が来てもこれまでのように叫ばなくなってきました。
陣痛がくると、私は相変わらず奥さんの身体が浮き上がるほどの力で、テニスボールでお尻を押します。
奥さんは約5分起きに痛みに襲われます。
その痛みは3分弱くらい続きます。
その間、ずっと全力で押します。
終わりのないボクシングだ・・・。
奥さんの叫びが試合開始のゴング。
約3分戦った後、椅子に戻ります。
そして、5分に強制的に試合開始。
これを、3時間繰り返しています。
奥さんは自分以上に痛みと戦っています。
それは頭で理解していたのですが「これしんどいな」と考えてしまいました。
そのうち、奥さんは人間の本能を発揮し始めます。
陣痛と陣痛の間の約5分の間に、睡眠を取るという回復術を会得したのです!
そうでないと身体が持たないのでしょう。
助産師さんもこれは普通のことだと教えてくれました。
これから赤ちゃんを産むために必要な休憩だと。
そして、私にはもう1つ空腹との戦いもありました。
出産にそんな時間がかからないと勝手に想定していたばかりに、夕飯をおにぎり2個で済ませていたことが仇となりました。
私は奥さんのために買ってきたパックンチョを少しずつ食べます。
いつこの戦いが終わるかわからないので、長期戦に備えて少しずつ食べます。
遭難して無人島にたどり着いたら、こういう感じなんだろうな・・・
満身創痍の2人。
そこへ助産師さんが現れて「子宮口も開いてきたし、7時くらいには赤ちゃん出てきそうね!」と伝えてくれました。
ほ、本当ですかっ!?
こんにちは赤ちゃん
AM6:00
ついに出産準備が始まります。
奥さんが寝ていたベッドは、分娩台フォーメーションに切り替わります。
助産師さんは奥さんにタイミングよくいきむように伝えます!

奥さんはのちに教えてくれました。

陣痛が来てるのに、いきんじゃダメなのが本当に辛かった。
今は赤ちゃんが出ようとするのを一緒にいきんで応援できる。
もうすぐ赤ちゃんに会える。
この痛みから解放される。
この希望が、奥さんを元気にさせます。
が、がんばれ!!
私は手を握ることしかできません。
あれ?
テニスボールでお尻を押しすぎて、明らかに手首に違和感が・・・
えぇーい!
今はそんなこといいんだ!
今は奥さんの応援じゃ!
が、がんばれ!
AM7:00
オギャー!オギャー!


まず、2人揃って叫びました。
泣くかと思ったけど、奥さんも子どもも無事だったことにホッとした安心感がすごかったです。
終わりが見えなかった戦いが終わったことに、お互い『お疲れ様』と健闘を称え合いました。
そして、赤ちゃんとの対面。
少し怖かったです。
今にも壊れちゃいそうなくらい小さくて。
でも、確かに生きていて、その肌に触れた時に愛おしさが爆発しました。
出産に立ち会えて、本当に良かった。
私は、命が誕生するには、命をかけていることを知りました。
赤ちゃんを産めない身体の私は、どんなに想像したってその大変さを100%実感することはできません。
肉体的だけではなく、精神的なものも含めて。
でも、立ち会うことで赤ちゃんがお腹の中から出てくる過酷さを肌で感じることはできます。
命の尊さを知ることができました。
こういう機会を持てたことに、感謝しかありません。
終わらない戦い。
AM10:00
出産は赤ちゃんがお腹から出たら終わりではありません。
命をかけて出産した奥さんが、部屋に戻れる状態になるまで回復するのを待たなければいけません。
回復するまで個人差があるようですが、うちの奥さんは貧血がひどくてなかなか起き上がることができませんでした。
自力で歩行するのは、とてもじゃないけど無理。
AM7:00に出産して、出産後の処置をしてもらったらそのままベッドで眠り続けていました。
一方、私はイスに座っています。
おにぎり2個とパックンチョのエネルギーで、出産の立ち会いを終えました。
一応、寝ずに奥さんのお尻にフルパワーでテニスボールを押し込み続けました。
まぁまぁ、過酷!
何度もお伝えしますが、奥さんに比べてば私のやってることなんてたいした事ないです。
100kmのトレイルランと散歩ぐらいの差があるでしょう。
でも、これからパパになる方々にはお伝えしたい。
まぁまぁ、過酷だったんです、私(T ^ T)
奥さんが回復するまで、私は明日のジョーのラストシーンのように椅子に座っていました。
燃えたよ、燃え尽きた、真っ白にな・・・。
私は出産に立ち会うということをナメていました。
これから出産に立ち会うパパには、奥さんと同様に覚悟を持って挑むことをおすすめします。
奥さんにとって人生最大のイベントですが、パパにもやれることはあります。
出産に立ち会うことが、皆様にとって素敵な時間になることをお祈りしています。