こんにちは。
burikoです。
私には子どもがいます。
産まれてきてくれたタイミングがよく、最初から最後まで立ち会えました。
初めての出産を振り返って、すごく思うことがあります。
覚悟が足りなかった・・・(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
出産は大変なことはわかっていました。
でも、これだけネットで情報が溢れているのに、私は特に調べたりしませんでした。
自分の勝手なイメージでこんなもんだろうと考えて、出産に立ち合いました。
そうすると、想定以上にしんどかったのです。
実際に出産する奥さんの方が100%しんどいですが、
パパもそれなりにしんどかったんです。
もう少しリアルな流れがわかっていれば、もっと準備と覚悟ができていたはず!
これから出産を迎えるにあたり、ワクワクやドキドキを抱えている方の一助になればと思い、私の体験をお伝えします。
出産は妻だけが大変で素敵な体験ではありません!
夫にとっても大変で素敵な体験でした!!
夫婦のやり取りを中心に、赤ちゃんが産まれるまでの12時間を書き綴っていきます。
目次
陽気な私。慎重な奥さん。
PM7:00
奥さんは出産準備のために実家にいました。
そして、予定日よりも早くおしるしがっ!
これは、ついに来たな・・・。
奥さんは「全細胞が本番が来たことを教えてくれた。」とのちに語ってくれました。
奥さんはさほど不安ではなかったようです。
それは、想像していたより陣痛の痛みが弱かったから。
なーんだ。陣痛ってこんなもんかい♪
私って楽に出産できるタイプかもしれない♪
「あのとき、そう考えた自分をぶん殴りたい。」
奥さんはのちにそう語っています。
奥さんは、自宅にいる私にLINEをくれました。


私は奥さんの冷静さに動揺。
美容院に行くときのノリと同じものを感じるっ!
初めて出産に臨むのに、そんなもんなのか!
奥さんのテンションと逆に、緊張する私。
自宅から病院に向かう景色が、今日はなんだか違う景色に感じます。
PM8:00
無事に病院へ到着。


予想より、余裕がある奥さん。

はしゃぐ奥さん。
私は勝手に緊張していましたが、なんかちょっと安心しました。
部屋にも素敵なクラシック音楽流れてるし。
奥さんには、ポカリスエットとお菓子を買ってくるよう頼まれていました。
私はそれを奥さんのそばに置き、ついでに私の夕飯として買ったおにぎりを2つ食べました。


お菓子を食べながら出産できるなんて。
2人はちょっとした遠足気分。
穏やかな時間を過ごします。
PM9:00
助産師さんが来てくれて、子宮口の開き具合を確認してくれます。
「まだ2〜3cmくらいねー。」

私は出産と子宮口の関係を理解していませんでした。
それを察した助産師さん。
丁寧に説明してくれました。

私は勝手に出産終了時刻を想定しました。
このときは、この想定が甘いなんて微塵も思いませんでした。

奥さんはネットで出産に関する情報を調べていました。
2〜3cmと聞いても、終わりまで自分にとって最悪の流れをイメージします。
最悪をイメージしておけばそれ以下がなく、楽だと考えたからです。


これまで生きてきた中で、1番の空返事でした。
これから出産の立ち合いを迎えるパパの皆さん。
こういう軽はずみなコメントが奥さんをイラつかせます。
気をつけてください(´;Д;`)
それからは、どうでもいいフリートークをしたり、ちょっと目を閉じて休んだりして過ごしました。
見えない終わり
AM0:00

明らかに痛そう。
数時間前とは比べものにならないほど、痛そう。


奥さんの姿にちょっと動揺。
しかし、動揺していることを表には出してはいけません!
奥さんを不安にさせてしまうからです!
助産師さんが定期的に来てくれますが、私とは正反対にめちゃくちゃ冷静。
奥さんは相当痛がっているのに、助産師さんは出産にむけて準備をする様子がない。
「いきまないように、力抜いてねー。」
優しい口調で語りかけて、隣の分娩室に消える始末。


AM2:00

さささ叫んでるぅぅぅ!!!
奥さんは叫んでないと痛みに耐えられないようです。
5分起きに来る痛み。
叫ばずにはいられないのか。
こ、これが出産。。。

奥さんは私にナースコールを押してくれと懇願します。
でも、私はなんとなくわかっていました。
まだ産めないことを。
30分前、助産師さんは『子宮口がまだ3〜4cmくらいねー。』と言っていました。
GOALは10cm。
私は「3時くらいに産まれる」と予想した自分を恥じました。
まだ産むまで時間がかかることはわかっていても、奥さんの要求に応えてナースコールを押しました。
助産師さんは優しく奥さんを励まします。
帰り際、助産師さんは私に『まだまだなので、ちゃんとそばにいてあげてください』と目で語りかけてきます。
去り際に、助産師さんはテニスボールを出して、奥さんのお尻をグッと押しました。
すると、奥さんはすごく楽そう!
助産師さんは私にテニスボールを預けて、また隣の部屋へと消えていきました。
テニスボールとお尻の爆発
AM3:00

「まだいきんではダメ」と言われているので、痛みが来ると本当にお尻が爆発しそうな感覚のようです。
そこで、私がテニスボールをお尻に当てて、全力で押します。
そうすると、かなり楽みたいです。


陣痛が来ている間、私はテニスボールを奥さんのお尻に突っ込む勢いで押し続けました。

これを続けて、自分の体力は持つのだろうか。
ちょっと心配になりました。
AM5:00

何時間も陣痛の痛みに襲われている奥さん。
痛みへの慣れ。
体力の限界。
痛みが来てもこれまでのように叫ばなくなってきました。
妻が苦しみだすと、私は相変わらず奥さんの身体が浮き上がるほどの力で、テニスボールでお尻を押します。

AM2:00頃からテニスボール押しは始まりました。
奥さんは約5分起きに痛みに襲われます。
その痛みは3分弱くらい続きます。
その間、ずっと全力で押します。
奥さんの唸りが試合開始のゴング。
約3分戦った後、椅子に戻ります。
そして、5分に強制的に試合開始。
これを、すでに3時間繰り返していました。
奥さんは自分以上に痛みと戦っている。
それはわかっています。
でも、
「オレはオレですごいしんどい(´;Д;`)」と考えてしまいます。
そのうち、奥さんは人間の本能を発揮し出しました!
陣痛と陣痛の間の約5分。
その間に寝るという回復術を会得したのです!
そうでないと身体が持たないのでしょう。
助産師さんもこれは普通のことだと教えてくれます。
これから赤ちゃんを産むために必要な休憩だと。
一瞬でも眠れる奥さんが羨ましく感じました。
奥さんはベッド。
私はイス。
私が5分の間に寝ることは不可能でした。
そして、空腹との戦いもあります。
どこかのタイミングで抜けられると勝手に想定していたばかりに、夕飯をおにぎり2個で済ませていたことが仇となりました。
私は奥さんのために買ってきたパックンチョを少しずつ食べます。
いつこの戦いが終わるかわからないので、戦えるギリギリの量を食べます。
遭難して無人島にたどり着いたら、こういう感じなんだろうな・・・
満身創痍の2人。
そこへ助産師さんが現れて、
「子宮口も開いてきたし、7時くらいには赤ちゃん出てきそうね!」


こんにちは赤ちゃん
AM6:00
ついに出産準備が始まります。
奥さんが寝ていたベッドは、分娩台フォーメーションに切り替わります。
助産師さんは奥さんにタイミングよくいきむように伝えます!

奥さんはのちに教えてくれました。

陣痛が来てるのに、いきんじゃダメなのが本当に辛かった。
今は赤ちゃんが出ようとするのを一緒にいきんで応援できる。
もうすぐ赤ちゃんに会える。
この痛みから解放される。
この希望が、奥さんを元気にさせます。

私は手を握ることしかできません。
あれ?
テニスボールでお尻を押しすぎて、明らかに手首に違和感が・・・
えぇーい!
今はそんなこといいんだ!
今は奥さんの応援じゃ!
が、がんばれ!
AM7:00
オギャー!オギャー!


2人揃って声に出しました。
予想では2人とも感動して泣くかと思っていましたが、泣きませんでした。
それよりも、先の見えなかった戦いが終わったことに、まず2人で『お疲れ様』と健闘を称え合いました。
赤ちゃんが2人のもとに来たとき、少し怖かったです。
今にも壊れちゃいそうなくらい小さかったから。
でも、確かに生きていて、その肌に触れた時に愛おしさが爆発しました。
奥さんは赤ちゃんを抱えて、目を閉じました。
難しいことは何も考えられず、ただ赤ちゃんに無事会えたことが嬉しそう。
私はそんな姿を見て、安堵しました。
その光景は自分ごととは捉えられず、なんだかドラマを見ている感覚です。
初めての出産を終えて、2人は心の底から感じたことがあります。
出産を2人で迎えられてよかった。
私がいたことで、奥さんのお尻が爆発せずに済んだ。
奥さんの本気で命を守る姿を見ることができた。
私は、命が誕生するために、命がけであることを知りました。
こんな素敵な奇跡を見逃して良い理由がない。
私は出産に立ち会えて本当によかったです。
出産って素晴らしい!